So-net無料ブログ作成
検索選択

お気楽にお読みください。

windy

映画「スポットライト」が示す聖職者による性的虐待、教会の闇 [映画]

先日、アカデミー賞の作品賞、脚本賞を獲得した作品ということで期待しつつ鑑賞しました。

制作に八ヶ月を要したというこの映画は、2002年1月、アメリカ東部のローカル新聞「ボストングローブ」の特集コーナー【スポットライト】に載った記事が元になった実話である。

マイアミから来た新参の編集部長マーティン・バロンの指示でボストン地区のケーガン神父による児童性的虐待事件を調査し取材して行くうちに、5名のスポットライト担当グループが大規模な被害の実態とカトリック教会の大きな闇を知ることになる。これは聖職者による性的虐待というおぞましい事実と共に、教会そのものがその事実を組織的に平然と隠蔽していた事実の2つのスキャンダルを同時に暴いた。


スポンサードリンク





これだけ重い内容を持つ映画であるのに、二時間ほど途中で飽きもせず見続けられたのか?
私の感想としては、次のような点に理由があると思う。

①聖職者と児童性的虐待というショッキングな取り合わせにフォーカスせざるを得ない

教会という何よりも神聖とされるべき組織の中で、神に近しいとされる神父が長年にわたり多くの 少年に性的虐待を行ったという驚愕の事実

②闇の中に隠蔽された性的虐待という犯罪の事実を、記者たちが一丸となり必死の努力でひとつひとつ暴いて行く過程で連帯感を共有する

映画の中で、この新聞の読者の53パーセントがカトリック信者だと言っていたが、大きな権力者で影響力を持つ教会を相手にタブーを恐れず告発して行く勇気はいつでもどこでも賞賛されるべきものです。

③記者たちの言動を正義感むき出しやバリバリの功名心を前面に出さず(実際もそうだったのでしょう)淡々と活写している手法

④アカデミー賞脚本賞を獲得しているだけあって、各自のセリフやカット割りが簡潔で、キャスティングが成功している


スポンサードリンク





以上、4つもあげてみましたが、キャスティングがまずいとせっかくの脚本も無駄になります。

出演俳優として印象に残った人は、地道に精力的な取材、調査を続ける記者たちの中で、新任の「独身のユダヤ人男性」(と映画の中で揶揄されていた)、編集局長マーティン・バロン演ずるリーヴ・シュレイバーの存在感と落ち着いた地道な取材を続ける女性記者、サーシャを演じたレイチェル・マクアダムスです。チームのリーダー役、マイケル・キートンも適役でした。

さて、映画を見終わり、最後のテロップを見るとこう書いてあった。記事の発端となったボストンの教区司祭ケーガン神父は、イタリアのローマ市内の高位聖職者としてボストンから転属となったと書かれていた。この神父は30年にもわたり、約130人もの児童への性的虐待を行ったと知りつつ、教会は彼に処分もせず寧ろ厚遇の扱いをしたのである。後から別のネット検索をしてみると、教会は「犯罪と腐敗の温床」と書かれていた。全くその通りである。

ネットサーフィンをしていると、あのマザーテレサに関する《黒い噂》の記事が出てきた。別の記事として書く機会が必ずあると思うが、彼女の生前から告発されていたというから、全くもってメディアの伝える表面的な内容はもう信じない、信じられない時代になったということだろうか?

ともかく、この映画は、どなたかも述べておられたが、とても地味だが押し付けがましいところが無い点、脚本も出演俳優もよく練られていい作品だと評価します。
評価は、 [☆][☆][☆][☆] です。


スポンサードリンク





コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

映画「あやしい彼女」を観て•••••人生の機微が詰まった映画です [映画]

仕事を終えた後、4月1日公開の映画「あやしい彼女」を観に行ってきました。
普段はテレビでも映画でも邦画は見ない私ですが、テレビでこの映画のCMを見て、日々のストレスを軽くしてくれそうな印象があり、口コミ評価も?で中々良かったからです。わたしの評価も?です。


その訳は、主に次の3つにあります。

① キャスティングの成功

② 演出、脚本が良くできている(なんと韓国映画のリメイクでした)

③ 歌謡懐メロを20才の設定の主人公が歌い、新鮮な魅力を放っている

映画のスタートは、主人公カツ(倍賞美津子)のノリノリのブギウギダンスで始まり、楽しい気分になりました。もっともこの曲を聴いてすぐわかる人は団塊の世代より上の年代層ですが、我々高齢者を上手く引き込む導入になっています。同時に、あまり詳しいことは避けますが、この映画では音楽が大きなモチーフになっていて、主演の若手女優多部未華子さんが口パクではなく歌唱力があり、一曲一曲を情感をこめて歌う美声と姿にほろりとなりました。録音シーンだけでなく、ストリートやライブでのパフォーマンスも健康的で可愛らしく魅力的でした。今時の芸能界では単に可愛い娘や美人は数多くいますが、同性ながらも多部さんは好感が持てる可愛い女優さんだと思いました。それだけ彼女が「あやしい彼女」である20才のカツ(大鳥節子)にはまっていたということでしょうか?


スポンサードリンク





前述の①でのキャスティングの成功は、この多部さんの演技が一番手だと思います。外見は20才、中身(ハート)はなんと73才のおばあちゃん(と言ったら可哀想かな)ですが、自分でなんども戸惑いつつ軽妙に若さを乗りこなして行く20才のカツが笑いを誘い、共感が持てました。人間って、外見や肉体は老化してきても、本来の心や魂そのものは 時間の影響を受けないものだと改めてこの映画からリアルに教わりました。
( *多部さんは、顔はさすがに見覚えがありましたが、映画を観て初めて名前を知った次第です)

若くなったカツがほのかに恋心を抱く音楽プロデューサーの小林には要 潤がなっています。個人的には、これまで彼はあまり好きなタイプの俳優でなかったのですが、彼もまたこの役がよく合っていました。やり手のアクの強いプロデューサーというより、若手の優し味のある人物としてカツに親しみを感じて行く青年を上手く抑えて演じていました。

若くなったカツには小林との淡い恋心を叶えて欲しいと思いましたが、やはりドラマにも現実味があり、思いがけない出来事で元の73才のカツに戻ることを決意します。最後の最後、物語の途中でカツの秘密を知ることになった幼馴染の次郎がなんと同じく若返った姿でカツの前に現れます。小林への思いは何とかここで明るく吹っ切れていくのでしょう、と期待します。


スポンサードリンク





特に心に残るシーンは、大鳥節子からカツに戻り、小林から贈られた髪留めを差し彼に気づかれぬまま去って行くところ。1年後、小林は節子への思いを未だ捨てきれずにいた。この時の要 潤の演じる小林の表情がいいです。マスコミからインタビューを受けて、かつて節子を撮った写真を携帯で探したところ、そこに写っているはずの彼女の姿が全て消えていた時の彼の驚き!節子と小林の絡みの場面はどれも面白かったです。

映画の最後に流れるテロップを観て、この作品の原作"Miss Granny" があることに気づき、家に帰り調べたところ、何とこの映画は元々韓国映画のリメイクだと分かりびっくりしました。人物の設定などは確かに違っていますし、非常に細かいことを言えば、韓国映画ではヒロインは74才ですが、日本のこの映画では73才の設定になっていました。

親子問題、三世代の絡み、友情、恋愛模様、若さと老い、等などおよそ人が味わういろいろな感情が交錯するが故に、共感を覚えるのでしょうか? ともあれ、こんなに面白い映画なのに空席が目立つ暗闇の中で、結構涙が溢れました。若い人も年配者もそれぞれの感慨を持てる映画なのでお勧めです。


スポンサードリンク





コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画