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カズオ・イシグロ氏の記憶•••••「 遠いやまなみの光」(長崎の記憶) [日記・雑感]

先日、10月5日、日系英国人作家カズオ・イシグロ氏(62才)が2017年ノーベル文学賞を受賞したというニュースが入りました。イシグロ氏は成人後に英国籍を取得していますが、ご両親は日本人です。ノーベル賞の受賞者は「出生地主義」を採用しているので、英国人ではなく日本人の文学賞受賞者としては、川端康成、大江健三郎に続く3人目の作家となります。


カズオ・イシグロ氏、日本名石黒一雄氏の小説は読んだことはありませんが、その名はハリウッド映画の「日の名残り」(小説と同じタイトル)を見たときに知っていましたし、昨年日本でも、綾瀬はるか主演「私を離さないで」のテレビ番組が放映されていて、後半から見だしていたものの、その重いテーマに引きずり込まれたのを思い出しました。


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今回の受賞で、改めて検索し直すと、デビュー作「遠いやまなみの光」の中で、氏が生まれ5才まで住んでいた長崎が描かれていることを知った。「遠いやまなみ」という言葉から、博多で生まれ長崎県で育ち、後年になって長崎市内に数年勤務していた私には、長崎という平地が少なく周囲をやまなみが囲む港町の情景が懐かしく目に浮かんで来ました。氏がわずか5年ほどを過ごした、原爆が投下され敗戦後10年に満たない長崎市内と、私が通った平成の時代の長崎市内の情景は格段の違いがあるでしょうが、あの背中に感じる山並みと入り組んだ海の間の僅かな平地、山の斜面にまで建ち並ぶ家々、そして港を取り囲むやまなみは昔も今も変わらない原風景だと思う。



カズオ•イシグロ氏については日本のいろんなメディアが記事を書いていたが、JIJI.COMによれば、現在イシグロ氏は新作小説を執筆中で、漫画を共同制作したいと表明。グラフィックノベルの制作について話し合っているようです。日本で漫画を読んでいた子供時代と再会するという氏の思いがあるようです。


江戸時代、鎖国状態にあった日本で唯一海外に開かれていた天領の港町長崎の土地柄、アメリカに原爆を落とされ、キリシタンに縁が深い長崎、国内の様々な港町とはまた違った独特の歴史と雰囲気を持つ町で、生まれてから僅か5年ほどを過ごしたとは言え、この地の空気を吸い五感で味わった幼い男の子が、日本人の両親に連れられ遠い異国の英国に移り住みことになる。今でこそ海外に渡航したり移り住む人々は大勢いるが、半世紀以上も前に、周囲に日本語を話す人も皆無の、自分が見たこともない皮膚や目や髪の色の異なる風貌の人々の中に入って行く一人の幼い心、姿を目に浮かべると、それだけでもストーリーになってしまいそうである。幼い男の子が異国、異文化で味わい体験して成長していった人生を想うと、イシグロ氏や彼の作品を理解する手立てになるかも知れない。家の外では英語、家庭では両親は日本語を話していたという。今でも日本語の聞き取りはかなり出来るらしい、とネットで書かれていた。(日本語はほとんど話さない)


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10月6日の産経新聞にとても興味深いイシグロ氏の言葉が載っていた。 (以下は、記事のまま)

「いつか日本に帰国するかも知れないとずっと思いながら生きてきました。英国に渡った当初は日本に対する記憶は強かった。ところが20代になって『記憶としての日本』というのが私の中でどんどん薄くなっていく。今振り返ると、小説を書くことは私の中の日本を保存することだった。世界、空気の全てを」



産経新聞によると、5日、イシグロ氏は受賞発表後の記者会見で、「私の世界観には日本が影響している。私の一部は、いつも日本人と思っていた」と述べた。


イシグロ氏が通っていた幼稚園の担任だった田中先生(91才)は、当時のイシグロ氏のことを「おとなしく、物静かな子供で、絵本をよく読んでいたことが特に印象に残っている」と語っている。


今注文中の「遠いやまなみの光」が届くのが楽しみです。


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